緑の魔境

２００５年６月５日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
田子倉の峰々は、まだ白い残雪に覆われていた。やはり今年は遅いのか・・・
木々の緑が鮮やかなだけに、奇妙な感覚におそわれる。そして、それが不安へ
とつながる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　





白いベールが魔界の結界。





魔境最上流部。

白く滝のように見えるのは、湖へなだれ落ちる雪渓。冷気が霧を生み出し、魔
界を覆う。船に冷気が押し寄せ、ゾクッと身が震えた。去年の夏、この源流に
大岩魚を狙って分け入った釣り師が、土石流に埋まって死んだ。　　　　　　
うー、やんだ(→←)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　





うー、やんだ(→←)





これは一昨年の画像。上の画像の正面の雪渓まで行くと、Ｖ字谷が右へカーブ
し、この場所へ出る。この時はまだ人は死んでない(^_^;)　　　　　　　　　



これが魔境に棲むへら鮒たちの産卵場所
このバックウォーターの浮遊物に巨大なへら鮒がはたく。へら鮒はこの中に出
たり入ったりしている。大きな流木に船を結んで竿を出したが、釣りに夢中に
なっていると背後から巨大な流木が押し寄せ、船がきしんでゾッとする事にな
る。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　





魔神の怒りに触れたのか、岸で死んでいた巨べら。
計ってみたら、５２ｃｍ！(ﾟ◇ﾟ)あった。死んでだいぶ干からびていたから、
生きていたらもっと大きかったに違いない。　　                          
うー、勿体ない事しないで、オラにプレゼントしてよー！(T^T)　　　　　　 





ということで、目の前を闊歩するプレゼント候補べら。先頭にいるのは、悠に
６０cmはあろうかと思える巨べら。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

どれにしよーか、迷っちゃうナ。（水色が白濁しているのはユキシロのせい）





冷たい雪代と霊気を避け(^_^;)、やや下流で竿を出す。




まあ、結果から言うと、今回も完敗であった。　　　　　　　　　　　　　　　
竿を出した場所は、16尺タチ２本。底は砂利底で、下流の本湖から次々にへら鮒
の群れが魔界を目指してゆく通り道。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

「魔界へ入る前に腹ごしらえをどーぞ。美味しい埼玉産ジャガイモですよー！」
と必死にＰＲしたが、誰も休んでくれなかった。埼玉産というのがまずかったの
かなー(T^T)　ま、マルキュー(ｰｰ;)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

次々通るへら鮒たちは、全くエサには興味を示さない。ジャガイモだけではダメ
なのか、と秘密兵器のサナギ粉を混ぜてみたら、バンバン釣れた。ハヤが(T^T) 

前に源さんが「宙でやってみたら？」と言っていたことを思い出し、一応宙もや
ってみたが、案の定、ハヤのイレパクに終わった。　　　　　　　　　　　　　

嗚呼、もーダメ。打つ手無し。限界(T^T)　 　　　　　　　　　　　　　　　　
遠いし、ボート持ち込み遊魚料は高くなったし、釣れないし、一人だと淋しいし
幽霊は出そうだし、もう日本新記録の巨べらは諦めるかなー。　　　　　　　　

「冥麩魔道」の道は、厳しいなぁ(T^T)